Thursday, December 5, 2013

統合失調症における非致死性自傷行為の臨床的・神経心理学的側面

目的:統合失調症患者の自傷行為を統計的に、また、臨床的・神経心理学的に調査すること。そして、どの側面が予測可能で、臨床措置が施せるかどうかを調査すること。
方法と対象:統合失調症患者87人が以下の項目についてインタビューを受けた。
物質乱用、うつ症状、無希望、陰性・陽性症状と自己洞察
神経心理学的検査は、発病前のIQ、持続的注意集中力検査、認知力検査、衝動性測定(質問票を使用)によって実施された。
更に、3ヵ月間に渡って医療記録の観察も行われた。
結果:59人(68%)の患者が過去に自傷行為(自殺未遂も含む)の経験があると答えた。過去に自傷行為の経験があると答えた患者は、そうでない患者よりもうつ症状、無希望、衝動性、家族健康歴での自傷行為有、多剤乱用を報告し、発病前のIQが高かった。ロジスティック回帰分析により、うつ症状・発病前の高いIQ・多剤乱用はそれぞれ独立に自傷行為に関連があったことが分かった。5人の患者が3ヵ月間の観察の間自傷行為を行った。この5名は全員過去に自傷行為の経験があり、他の自傷行為の経験のない患者より突出してうつ症状が目立っていた。

考察と結論:統合失調症における独立した自傷行為の予測要因は発病前のIQと多剤乱用である。加えて、うつ症状は過去の自傷行為の経験と将来的な自傷行為の予測と、どちらとも独立に関連があった。

Pluck G, Lekka NP, Sarkar S, Lee KH, Bath PA, Sharif O & Woodruff PWR. (2012). Clinical and neuropsychological aspects of non-fatal self-harm in schizophrenia. European Psychiatry, 28(6), 344-348.
doi: 10.1016/j.eurpsy.2012.08.003





Clinical and neuropsychological aspects of non-fatal self-harm in schizophrenia

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