Friday, January 10, 2014

治療中のアヘン中毒者の、中毒前と現在の神経心理学的機能

背景:物質乱用と神経心理学的障害(特に、前頭前野の機能に関するもの)を結びつける集成資料が存在する。物質乱用の直接の影響というよりはむしろ、中毒前、潜在的に障害があった可能性もある。
方法:現在、中毒治療中の患者22人が健康な対照者とマッチングされた。我々は、中毒前と現在の神経心理学的な異常を、前頭葉機能に関する行動評価尺度(FrSBe)を使用して比較した。中毒前の推定IQと、現在のIQも測定した。
結果:社会経済的な違いは両集団共に見られなかった。また、アヘン中毒と関連した認知機能の変化(現在のIQと関連して)や、中毒前のIQが潜在的に低かったことを示す結果は見つからなかった。しかし、FrSBeの結果では、アヘン中毒者のほうが高い割合で無気力の状態を報告した。また、前頭前野と結びつく神経心理的機能の障害を示すような証拠も、FrSBeの高いスコアから見つかった。加えて、アヘン中毒者は、中毒に先行する期間でも、健康な対象者と比較して高い割合で神経心理的異常を報告した。

結論:結果は、中毒者の中にも、総合的な認知機能とは独立して、神経心理的異常を示す患者がいるということを表す。そして、その異常は、物質乱用の影響が及ぶ前から既に存在していたということを示唆する。

Pluck G, Lee KH, Rele R, Spence SA, Sarkar S, Lagundoye O & Parks RW (2012). Premorbid and current neuropsychological function in opiate abusers receiving treatment. Drug and Alcohol Dependence. 124, 181-184. doi:10.1016/j.drugalcdep.2012.01.001 





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